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『英国総督 最後の家』

グリンダ・チャーダ監督の『英国総督 最後の家』
私は学校でみんなで観た「ガンジー」しか知らなかったから、
この映画から感じたことを大切にしたいです。

原題は、「Viceroy's House」イギリス国王の代理でインドを統治する総督の家、いわゆる官邸。
映画を好きな人に広く知ってほしい、忘れられた出来事、イギリス領インドにおける最後の6か月が綴られます。

<story>
舞台は、1947年、インドの首都デリー。
第二次世界大戦によって、国力が疲弊したイギリスは、およそ200年にわたる植民地支配を終えて、インドを去ることを決定します。
主権譲渡のため任命された、マウントバッテン卿と妻エドウィナ、娘パメラ、愛犬と共に、総督官邸になってきます。

息をのむほど美しい建築物で、壮大な敷地と、豪華内装にびっくりします!
広い廊下、迎賓室、食堂、映写室など、全体像はわからないくらい広い、そこに500人もの白い制服を着た男女使用人たちが支えています。
マウントバッテン卿の元に集まるリーダーたちの思いは一つではありません。
独立後に、「統一インドを望む国民会議派」と「インドから分離してパキスタンを建国したいムスリム連盟」が意見を闘わせる緊迫感。
一方、新しい総督の元で働くインド人青年のジートは、総督の娘の秘書として働くアーリアと、惹かれあっていますが、
信仰の違いや、家族のことそして国の未来に翻弄されていきます。

ヒュー・ボネヴィル
ちなみに、実在のマウントバッテン卿より、体格は良かったそうですが、ご親族からも大満足の声が上がったそう。
国の未来に関わるとても難しい立場、さすが、ヒュー!!

愛犬家の妻!
何と言っても旦那を昔のニックネームで呼び捨てする妻、エドウィナの慈悲深さと未来の子供達を思う気持ちに感涙。
夫より前に立つタイプではないけど、賢いサポート役。そして、何と言っても愛犬家!な
んのためにインドにやってきたのか、彼女の言動がポイントで刺さります。
白いワンちゃんのご飯エピソードは効果的に使われてるなと思います。

*信仰の違い、日々の不満、未来への不安、を主人公たちだけでなく、
500人もの使用人たちや、民族大移動をせざるをえない市民たちから、言葉態度で見せる演出なので、
イギリス映画ですが、目線はインドからが多い。

そこに、若い二人の恋愛も組み込まれる、インド、イギリスの歴史的ドラマ。
感傷的にならず、ジャーナリズム視点でなく、映画が好きな人に伝わるおすすめ作品です。

『英国総督 最後の家』 8月11日(土祝) 全国ロードショー 



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